血管外科(さいたま市立病院)のホームページ

腹部大動脈瘤のステントグラフト治療

ステントグラフト挿入後のイメージ図
    ステントグラフトを挿入した状態です。

ステントグラフトは人工血管と金属の網を組み合わせたものです。ステントグラフトは、この金属の骨組みにより広がった状態を保つことができますが、このステントグラフトを折りたたんだ状態でカテーテルの先端に装着し、動脈瘤の内部まですすめ、そこでステントグラフトの被いを解除すると、動脈瘤内で広がった状態に戻ります。(当院ではZenith, Excluder, Powerlink,Endurant という厚生労働省に認可されたステントグラフトを使用しています。)
これを挿入すると、血液はの人工血管の中だけを流れ、人工血管の外側の、動脈瘤の内部は血液が流れなくなり、凝固した血液で満たされ破裂を避けられます。
動脈瘤に内側からの血圧がかからなくなるので、術後は動脈瘤が縮小します。


          ステントグラフト内挿術の動画     (ステントグラフト機種:Zenith)

 しかし、すべての方にステントグラフトが使用できるわけではありません。
ステントグラフト(人工血管)の一番上の部分と一番下の部分が、動脈の壁と隙間なく密着する必要があります。大動脈が強く屈曲していたり、石灰化が強かったりした場合には、動脈壁と人工血管の間に隙間が生じ、血液が瘤内へ流れ込み続けてしまいます。その状態では動脈瘤に血圧がかかり拡大を続けてしまいます。 大動脈瘤の形や性状が条件を満たした場合にはこの方法が使用できます。当院では動脈瘤の患者さん全体の8割ほどの方がステントグラフトの適応になると考えています。術前に造影剤を使用したCTスキャンを行い、この方法が可能か否かの判定を行います。
この方法が行えない場合には、従来の開腹による人工血管置換 術を行います。
(ステントグラフトも従来の開腹手術のどちらの方法も保険適応です。)

また、腹部大動脈瘤のみではなく、腸骨動脈瘤にも適応可能な場合もあり、多数行っています。

右の腸骨動脈瘤のCTアンギオ画像 右の腸骨動脈瘤にステントグラフトを挿入したCTアンギオ画像
     (開腹せずに、右ソケイ部の小切開のみで腸骨動脈瘤にステントグラフトを挿入しました。)



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