血管外科(さいたま市立病院)のホームページ

腹部大動脈瘤とは

腹部大動脈瘤は、動脈硬化などにより動脈壁が弱くなり、血圧によって風船が膨らむように瘤状に拡張したものです。腹部動脈瘤の最大径が4cm〜5cmを超すと破裂の危険性が高くなるとされます。(正常では1.5cmから2.0cm程度です)                                        破裂するまでは、痛みなどの症状はなく破裂してようやく発見されることもあります。         

しかし、腹部動脈瘤は破裂してからでは、手術をしても10%から20%しか救命できません。  一方、腹部大動脈瘤は破裂する前に治療すれば98%〜99%救命可能です

腹部大動脈瘤の動画(治療前)

全身の動脈の図 心臓から出た大動脈は、手や脳に行く枝を出しながらUターンし下方に向かいます。この部分は胸部大動脈といいます。大動脈はさらに下降し、横隔膜を貫いて腹部に入ります。この大動脈のうち、腹部を通る部分が腹部大動脈です。腹部大動脈は胃や腸、左右の腎臓に枝を出しながら下降し、おへそのあたりで右左の二本(腸骨動脈)に分かれます。
部大動脈瘤のほとんどは、腎臓への枝のすぐ下から、二股に分かれたあたりまでの範囲に発生します。腎臓への枝より上まで瘤が及ぶのは数%以下です。

     

腹部大動脈症例のCTアンギオ写真 ステントグラフト挿入後のCTアンギオ写真

    (腹部大動脈瘤)         (ステントグラフトを挿入した状態)

従来は、腹部大動脈瘤に対する手術は、開腹して腹部大動脈瘤を切除してY型の人工血管に置き換える手術のみでした。                                           しかし、2007年より、両側の足の付け根を小さく切開し、そこから腹部大動脈瘤内に、カテーテルを用いてステントグラフトと呼ばれる金属の骨組みが付いた人工血管を挿入する方法が日本でも可能になりました。                                                 

ステントグラフトを用いた腹部大動脈瘤の治療法は、従来の開腹による手術に比べ、体への負担は極めて少なくなり、手術の翌朝から食事、歩行が可能です。                           高齢の患者さんや、心臓、肺などが悪く従来の開腹手術は困難とされ手術をあきらめていた方でも治療が可能になりました。

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